重ねることで生まれる、美しさ - Lace up Pleated Vest & 2way Pleated Hem Trousers -
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重ねることで生まれる、美しさ

娘は工作が好きで、折り紙やjeshの余った生地をちょうだい!と言って1人で作り始めます。そんな娘を見ていると、思うことがあります。
真っ直ぐ切ろうとしても少しずれてしまったり、思い通りに折れなかったり。
流行りのシールはシール帳ではなく、接着の代わりに折り紙へ…
けれど、その不完全さがあるからこそ、その子らしい表情が生まれる。
今季のテーマである「craft」には、そんな思いを込めています。
完成された美しさだけではなく、手を加え、工程を重ねることで生まれる豊かさ。
このセットアップもまた、そんな考えから生まれました。

使用したのは、知多で織り上げられたウール混素材。
愛知県には、尾州だけでなく知多にも長い繊維産業の歴史があります。
糸を織り、生地をつくり、加工によって表情を与える。
それぞれの地域に受け継がれてきた技術が、一枚の生地の中に息づいています。
今回の生地は、知多で丁寧に織り上げられた後、尾州で加工を施しました。
異なる産地の技術が重なり合うことで、この生地ならではの豊かな表情が生まれています。

このセットアップの大きな特徴は、ベストの後ろプリーツ、トラウザーの裾に施されたプリーツ加工です。
平面的だった生地に立体感を与え、光の当たり方や動きによって様々な表情を見せてくれます。
実はこのプリーツ、一つひとつ手作業で折り込まれています。
均一に見えるプリーツですが、その美しい表情は職人の手仕事によって生み出されたもの。
そして、このプリーツには見えない部分にも工夫があります。
一般的なプリーツ加工は着用やクリーニングを繰り返すことで徐々に弱くなってしまうことがありますが、このアイテムではプリーツの奥ひだ部分にステッチを施しています。
プリーツの形状をしっかり支え、美しい立体感を長く保つための工夫です。
デザインとしての美しさだけでなく、長く愛用していただくための機能も兼ね備えています。


ものづくりの現場では、効率だけを求めればもっと簡単な方法もあります。
けれど、人の手や経験が必要な工程を省略すると、生まれない表情があります。
織る。
整える。
加工する。
プリーツを折る。
そして、その形を長く保てるよう仕上げる。
幾つもの工程を重ねながら、一着の服は完成していきます。

ベストはフロントのレースアップ仕様によって、着る人自身がシルエットを調整できるデザインに。
きゅっと結んだり、少し緩めたり。
その日の気分や合わせる服によって印象が変わります。
完成された形を押し付けるのではなく、着る人によって完成する一着です。

パンツは裾に向かって広がるプリーツが歩くたびに揺れ、装いに奥行きを与えます。
静止しているときには見えない表情が、動くことで現れる。
その変化もまた、このパンツの魅力のひとつです。
シンプルでありながら印象に残る。
そんな存在感を目指しました。

私たちが惹かれるのは、完璧に整えられたものよりも、工程を重ねることで生まれる美しさです。
織る人がいて。
加工する人がいて。
プリーツを折る人がいて。
その形を長く保つための工夫を施す人がいる。
たくさんの手を経て完成する服には、時間だけでなく、人の思いや技術も積み重なっています。
このセットアップにも、その背景が静かに息づいています。
日々の装いの中で、その豊かさを感じていただけたら嬉しいです。
ご予約はこちら。6/14(日)23:59まで。